医療マネジメント学会雑誌
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耳鼻科病棟におけるクリティカルパスの導入の現状と課題について
伊藤 実紀乃奥田 裕子三木 愛子
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2001 年 2 巻 2 号 p. 186-190

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抄録

当院では、平成11年より「医療の質の確保・チーム医療の確立・患者様サービスの向上」を目的にクリティカルパス (以下CPと略す) の導入を試みている。当科では、平成12年4月より、内視鏡下副鼻腔手術患者様へ日程スケジュール表を添付したCP導入を試みた。
結果 (1) インフォームドコンセントが容易となり、診療内容の理解が得られやすくなった。
(2) 医療チームのカンファレンスが増え、協調性が強くなった。
(3) 患者様とのコミュニケーションが増し、信頼関係が向上した。
(4) 患者様の意見・希望を取り入れた日程スケジュール表が作成でき、患者様満足度が向上した。
(5) 在院日数が1日短縮できた。
(6) 発生したバリアンスは患者様側要因が多く、逸脱は8%だった。
以上のことから、内視鏡下副鼻腔手術患者様へのCP導入は有効であった。しかし、今後の課題として、バリアンスの判断基準を明確にし、変動・逸脱時の管理対策の確立が急務となった。当科では、入院患者様の50%が手術目的である。今後は、課題を早期に検討し、他の手術療法患者様にもCP導入を進めていきたい。

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