医療マネジメント学会雑誌
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クリティカルパスと地域医療連携
野村 一俊
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2002 年 2 巻 3 号 p. 314-319

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抄録
医療制度の変化に伴う病院機能の分化と高齢患者の増加による医療内容の多様化により、一つの病院で提供できる医療サービスには限界が生じてきており、医療連携の重要性がクローズアップされてきている。しかし、このような医療環境の変化は患者の立場からは、まだまだ十分に理解されているとは言い難い。このような中で医療者側の立場だけで連携医療が進められると種々問題が生じてくる。これらの解決のためには医療を透明化し医療者と患者および家族との情報の共有が必要である。
クリティカルパスはその導入により、根拠に基づく医療の実施、業務の効率化、チーム医療の向上、インフォームドコンセントの充実、在院日数の短縮、コストの削減の効果が得られ、入院における良質な医療と効率的な医療の両立に有効であることが実証されてきている。これらの効果は、医療内容の透明化と情報の共有の結果と考えることが出来、このコンセプトを医療連携に応用できれば問題解決の一助となると考えられる。
このような観点から、我々が関連施設と共に開発を進あてきたのが医療連携用クリティカルパスである。これらの患者用クリティカルパスでは、退院後の全治療過程終了後にアウトカムを置き、その中のプロセスアウトカムとして転院時のアウトカムを患者・家族に理解してもらえるよう工夫がなされている。また医療者用クリティカルパスにおいても、医療内容の透明化と連携施設間の予後の見解の共有化の工夫がなされている。
大腿骨頚部骨折の医療連携用クリティカルパスを例にその実際を紹介した。
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