抄録
服薬指導における問題点を把握するため、クリティカルパスの概念に基づいて、アウトカムとバリアンスコードを設定し、4,605名の患者を対象にバリアンスを集計・分析した。その結果、バリアンス発生数は723名 (15.7%) であった。診療科別では、精神科が51.8%と最も多く、次いでリハビリテーション科34.1%、呼吸器外科28.7%で、最も低いのは眼科3.6%であった。バリアンス解決率は59.4%、診療科別では、最も高いのは消化器内科で80.4%、低いのは循環器科で48.3%であった。処方薬の種類が多い診療科では内服コンプライアンスが悪い傾向が、また、手術の多い診療科では術後の不眠、疼痛、便秘などの訴えが多い傾向がみられた。入院期間、処方薬、患者の理解度や年齢などを考慮して服薬指導を行うことにより、バリアンスの解決率が高くなることがわかった。今後、バリアンスをコード化する際の基準を明確にして、解決策を具体化し、チーム医療に携わっていきたいと思う。