医療マネジメント学会雑誌
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転倒転落事例の分析と離床監視装置の開発および試用経験
朴 勤植平井 祐範小野 佐江子
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2003 年 4 巻 3 号 p. 422-428

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抄録

本院における1年間のインシデント・アクシデントレポート5336件中、転倒転落に関するレポートは614件、レベル3以上は26件 (4%) であった。これはレベル3以上のアクシデントレポートの4分の1を占めていた。発生時間は深夜から午前中に多い傾向にあり、高齢者とくに80歳以上でレベル3以上の事故が多かつた。場所別では病室 (64%) が最も多く、病棟により発生率に大きな違いがあった。そこでナースコールに連動した簡易な離床監視装置を開発し、試用した。10病棟、28名の患者を対象とした結果、半数の患者で転倒転落の防止に有効であった。また、10病棟中7病棟より効果的であるとの評価を受け、6病棟より継続使用の希望があった。本装置の有用性を認め商品化を期待したい。

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