抄録
医薬品に関する知識の不明瞭な点や不安があった場合の看護師の行動実態についてはほとんど報告されていない. そのような状況における行動実態と, その経験年数による相違を調査した. 循環器内科および心臓血管外科の看護師を対象に, 「薬剤知識についての不安点とその対処方法」を中心としたアンケートを行った. これらの結果を看護師としての経験年数3年未満と3年以上とに分けて検討した. さらに, 病棟担当薬剤師に対する薬剤に関する問い合わせを記録し, 質問内容を分析した. 「自分の有している薬剤知識で不安に思うか」の問いに対しては, 全員が「不安に思う」と回答した. 業務上, 医薬品に関する不明点の対処については, 「同僚看護師に聞く」と答えた看護師は72%であり, 「医師に聞く」が31%, 「薬剤師に聞く」が29%であった. 看護師としての経験3年未満の群では93%が「同僚看護師に聞く」と回答し, 看護師としての経験3年以上の群では62%であった. 看護師から薬剤師への質問では, 薬の内容に関するものが21%, 薬品の払い出し方法といった業務に関するものが21%, 薬理作用に関するものが8%, 配合変化が8%, 相互作用が6%であった. 経験年数が少ない看護師では不明な点を同僚看護師に求めており, 先輩看護師が経験, 的確な知識に立脚し, 経験の浅い看護師への適切な指導の必要性が求められる. その一方で, 医師, 薬剤師などの他職種へも質問できるような環境整備の必要性も示唆された