医療マネジメント学会雑誌
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5 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 垣田 清人
    2004 年5 巻3 号 p. 416-418
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • 紙カルテ版とEMR (電子カルテシステム) 版
    今田 光一
    2004 年5 巻3 号 p. 419-424
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • オールバリアンス方式
    勝尾 信一
    2004 年5 巻3 号 p. 425-430
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    オールバリアンス方式は, アウトカムを達成目標だけでなくクリティカルパスに記載されるすべてのものを患者アウトカムあるいは介入アウトカムとして捉えたバリアンス収集方式である. バリアンス分析による改善の対象が医療の質ばかりでなく施設の質にまで拡大されるが, 収集されるバリアンスの量は莫大となる. そこで紙カルテでオールバリアンス方式を実行するにはバリアンス分析のシステム化と工夫が必要となる. 要因分類は全クリティカルパス共通とし, 一つのバリアンスに対し複数のコード付けを容認している. バリアンスはバリアンスシートに別途記録され, クリティカルパス終了後にクリティカルパスとは別に保存される. バリアンス集計後はバリアンス分析基本方針表に従って改善策を導き出す. これが確実に施行されるために職員に対する普及・教育が必要である.
  • 柴田 靖, 松下 明, 小林 栄喜
    2004 年5 巻3 号 p. 431-435
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    クリティカルパスの目的は在院日数短縮, 医療費削減, 医療標準化による臨床効果などである. 脳梗塞は症例毎の重症度, 経過の個人差が大きく, 脳梗塞に対するクリティカルパスの有効性は確立していない. 我々は急性期軽症脳梗塞に対するクリティカルパスを作成, 導入し, クリティカルパスの臨床効果を検討した. 導入前症例をhistorical controlとした, nonrandomized controlled studyである. 対象は本院に入退院した急性期軽症脳梗塞症例である. クリティカルパス導入前に入院した37例をコントロール群とした. クリティカルパス導入後に入院した35例にクリティカルパスを使用し, クリティカルパス完全使用例34例 (完遂率97.1%) をクリティカルパス群とした. クリティカルパスは注射箋, 指示箋一体型で, オザグレルナトリウムとエダラボンの2週間投与を基本とした. クリティカルパス群とコントロール群の背景, 症状, 責任病変, 神経所見, ADL, 合併症, 併発症に差はない. 両群ともNIHSSは有意に改善し差は見られなかった. 脳神経合併症はコントロール群で3例見られたが, クリティカルパス群では見られず, クリティカルパスが合併症を予防した可能性が示唆された. 文献的にも脳梗塞に対するクリティカルパスの臨床的有用性は報告されてない. クリティカルパスは経過が予測されやすいものに対して最も有効であり, 症例毎の重症度, 経過差が大きい脳梗塞ではクリティカルパスの臨床的有用性は少ない. クリティカルパスの合併症予防効果に関しては更に症例蓄積, 検討を要す.
  • 胃手術および大腸手術を受けた患者を検討して
    猪股 祥子, 浅沼 義博, 煙山 晶子, 伊藤 正直, 小棚木 均, 山本 雄造
    2004 年5 巻3 号 p. 436-441
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    80歳以上の高齢者19名に対し, 腹部手術後のせん妄の発生頻度, 背景因子, 術前併存疾患との関連および周手術期の看護上の問題点について検討した. 対象は, 胃疾患患者10名, 大腸疾患患者9名である. 術後せん妄は19名中7名 (37%) に発症した. せん妄をきたした7名をA群, せん妄のない12名をB群として, 術後せん妄の背景因子を検討した. まず, 術式をみると, 大腸手術を受けた患者は, 胃手術を受けた患者に比べて, 有意に術後せん妄の発症率は高かった (p=0.0198). 一方, 術前Hb値, 肺活量, 1秒率, 出血量, 術後Na, Clの最低値に関しては, 両群間に差は認めなかった. これらについては, 今後さらに症例を重ねて検討したい. 術後せん妄が術後回復過程に及ぼす影響をみると, 術後排ガス日は, A群5±1日, B群4±1日であり, A群で有意に遅かった (p=0.0064). 排便日もA群で遅い傾向にあった. 術前併存疾患との関連をみると, 大腸がんイレウスのため術前にIVH管理を各13日, 33日, 37日施行した3名は全例が術後せん妄をきたした. 以上より, 80歳以上の高齢者の術後せん妄の予防と対策の視点から, 従来の様々な留意点に加えて, 次の2点にも十分配慮してケアすべきと考えた. 1) 術前に大腸がんイレウス等で絶食・IVH管理を必要とした患者では, 術後せん妄の発生に十分注意する必要があり, その予防や早期発見・治療に努める. 2) 術後せん妄をきたした患者は, 術後の排ガスや排便が遅れるので, 体位交換や早期離床等の援助を十分に行う.
  • 中山 裕一, 瀬高 昌子, 佐々木 郁子, 折井 孝男, 坂本 すが
    2004 年5 巻3 号 p. 442-446
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    医薬品に関する知識の不明瞭な点や不安があった場合の看護師の行動実態についてはほとんど報告されていない. そのような状況における行動実態と, その経験年数による相違を調査した. 循環器内科および心臓血管外科の看護師を対象に, 「薬剤知識についての不安点とその対処方法」を中心としたアンケートを行った. これらの結果を看護師としての経験年数3年未満と3年以上とに分けて検討した. さらに, 病棟担当薬剤師に対する薬剤に関する問い合わせを記録し, 質問内容を分析した. 「自分の有している薬剤知識で不安に思うか」の問いに対しては, 全員が「不安に思う」と回答した. 業務上, 医薬品に関する不明点の対処については, 「同僚看護師に聞く」と答えた看護師は72%であり, 「医師に聞く」が31%, 「薬剤師に聞く」が29%であった. 看護師としての経験3年未満の群では93%が「同僚看護師に聞く」と回答し, 看護師としての経験3年以上の群では62%であった. 看護師から薬剤師への質問では, 薬の内容に関するものが21%, 薬品の払い出し方法といった業務に関するものが21%, 薬理作用に関するものが8%, 配合変化が8%, 相互作用が6%であった. 経験年数が少ない看護師では不明な点を同僚看護師に求めており, 先輩看護師が経験, 的確な知識に立脚し, 経験の浅い看護師への適切な指導の必要性が求められる. その一方で, 医師, 薬剤師などの他職種へも質問できるような環境整備の必要性も示唆された
  • 若嶋 壽喜子
    2004 年5 巻3 号 p. 447-453
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    当病棟における従来の日替わりチームナーシングでは, 個の責任が不明確で個別的・継続的な看護が展開できなかった. そこで患者一人ひとりにあった質の高い看護サービスを提供するために, 継続受持ち制を原則とする固定チームナーシングを導入した. その結果, 転倒・転落件数が減少すると共に褥瘡対策の改善など, リスクマネジメント面で効果が得られた.
    これは, 担当する患者グループの固定化や受持ち看護師の継続した関わり等で患者との距離が縮まり, 個々の患者に必要な看護が見えてきたことや, 情報交換が活発になったことで, リスクを予測して看護ができるようになったことの成果である. また, 固定チームナーシングはケアや処置方法の周知徹底が図りやすく, チーム全体で統一した看護が実施できる.
    この看護方式を導入して, 看護師一人ひとりがその役割と責任を果たしていくことで看護の目標を達成できたことが各々の自信と成長に繋がり, チーム全体が向上した.
  • 秋山 和宏, 桜井 裕之
    2004 年5 巻3 号 p. 454-456
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    透析医療を専門とする小規模病院におけるNST活動の成果につき報告する. TPNとENの比較において, 延べ可数はNST開始後半年で逆転し, EN症例数が優位となった. 抗菌薬の年間使用回数は第3世代以上セフェム, カルバペネム系, バンコマイシンは各々574→237, 252→154, 298→158と半減していた. また, グロブリン製剤も119→41と減少しており, 計387万円/年の削減となった. バンコマイシンの使用量を見てもMRSAの発生が減少した. 褥瘡患者数は1年後より減少し, 入院患者に占める割合は5%以下となった. NST設立後で平均在院日数の短縮化は認められなかった. なお, 当院ではクリティカルパスの取り組みは始めていない. これらのアウトカムの他に, NST設立によりチーム医療の機運が院内にもたらされた. 褥瘡対策チーム, 嚥下訓練チーム, ICTが順次設立され, クリティカルパス運営委員会も設立準備中である. 数字上のアウトカムは十分なものではないが, 人材育成, 組織改革については, 小規模であるが故に絶大なる効果があったと考えられた.
  • 勝尾 信一, 林 正岳
    2004 年5 巻3 号 p. 457-461
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    病院の業務は本来の病院組織と委員会組織によってまかなわれていることがほとんどである. この委員会組織を有効に機能させるために委員会組織の再編を行ったので報告する. まず12名からなる委員会再編プロジェクトチームを発足させ, 現状調査および問題点の抽出・改善をし新たな委員会組織を編制した. 既存の26委員会等組織は名称が統一されず責任者も集中し, 開催時期も統一されていなかった. また委員会等の設立基準がなく, 活動内容が不明確で権限が定められていなかった. そこでプロジェクトチームで委員会の設立基準を複数部署からの委員で構成し中間決定権のあるものとし, 各委員長を指名した. また全体を把握する組織としてTQM委員会を新設した. 各委員会は目標・実績・議事録等をTQM委員会に提出し, TQM委員会は委員会の活動内容を把握し委員会間の調整を行う. 各委員長の人事権もTQM委員会が持つ. 26の委員会等は部長会を上部組織として委員会組織とは切り離して存続させ, 残り25委員会等のうち継続15統合吸収4廃止2新設12とし, 8部門29委員会に再編された, 委員会は基本的に時間外の定期開催とした. 2003年4月より正式に活動を開始し, 成果を出してきている. 委員会活動に対する報酬が今後の課題である.
  • サービスマーケティングの立場からの考察
    真野 俊樹, 水野 智, 小林 慎, 井田 浩正, 山内 一信
    2004 年5 巻3 号 p. 462-466
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    マーケティングの視点からは医療はサービスであるといえる. しかし, 普通のサービスと同じかといえばそうではない. その差は情報の非対称性が非常に大きいこと, 成果が不確実なサービスであること, ニーズに基づくサービスであること, などから生み出される.しかしながら, 医療においても, 一般のサービスと同じように顧客 (患者) 満足の追求といった視点は以前にも増して重要になってきており, 本稿では, 顧客満足, 質の評価といった視点から, 医療へのサービスマネジメント, マーケティング思考の応用を考察した・その結果, 機能分化 (セグメンテーション) の重要性が確認された.
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