医療マネジメント学会雑誌
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外科病棟におけるクリティカルパス取り組みの変遷
関 千暁斉木 玲子板持 美由紀若月 俊郎谷田 理
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2005 年 6 巻 2 号 p. 440-443

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抄録
山陰労災病院外科病棟では, 1999年よりクリティカルパスを導入し, 現在では19種類のクリティカルパスを運用している.最初外科医師と看護師でクリティカルパスを導入し, その後薬剤師・栄養士・検査技師などの参加によるチーム医療への協働へと発展してきている. この5年間で医師, 看護師によるクリティカルパス作成・導入 (第1期) から始まり, 病院のクリティカルパス委員会発足 (第2期), 他職種の参加・チーム医療の導入 (第3期), チーム医療の充実 (第4期), チーム医療の拡大 (第5期) と発展を続けている. クリティカルパス導入により医療チーム間のコミュニケーションが図れ, 医療チームの連携を強めるとともに各職種の役割, 責任が明確になり, 医療, 看護ケアの質の向上が図れた. アンケート結果より, 患者の治療への理解が深まり治療参画の意識が高まったことがわかった. 外科病棟のクリティカルパスの取り組みは, 病院全体でのクリティカルパス推進の原動力となっているが, 各部署によりクリティカルパス使用状況には差がある. 今後病院全体でのクリティカルパス使用の推進, 情報, 記録の共有化や各職種アウトカムの充実, クリティカルパスのオーダリングシステム, 電子カルテへの取り組みなどを行うことによって更なるチーム医療の発展が期待できると考える.
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