「軽症脳梗塞のリハビリテーション」, 「中症脳梗塞のリハビリテーション」, 「重症脳梗塞のリハビリテーション」の3種類のクリティカルパスを作成し, 2004年3月より導入した.効果判定と見直しを目的に, リハビリテーションクリティカルパス導入前年同時期33症例 (A群), リハビリテーションクリティカルパス導入直前32症例 (B群), リハビリテーションクリティカルパス導入後86症例中リハビリテーションクリティカルパスを使用した43症例 (C群) を対象とし, 臨床指標を比較した.同時に, リハビリテーションクリティカルパス使用状況についても調査した. C群の方がA, B群に比べ, 退院時のmRS (modified Rankin Scale), GOS (Glasgow Outcome Scale) およびFIM (Functional Independence Measure) 得点, 改善比率が統計学的に有意に良好であった (p<0.05).
リハビリテーションクリティカルパス使用43症例中脱落は13症例であり, 原因は記入の不備であった.完遂例は30症例 (70%) で, バリアンスは時間スケジュールからの逸脱が多く見られた.また, リハビリテーションクリティカルパス使用開始直後から記載方法にばらつきがあり, リハビリテーションクリティカルパスに対するスタッフの認識の低さが明らかとなった.今後は多様なリハビリテーションクリティカルパスの検討や項目の選択が必要であると考えられる. また運用マニュアル等を作成しリハビリテーションクリティカルパス使用の標準化を図り, スタッフの理解や意識の改善, 他部門も含めて連携・協力が重要であると考えられる.
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