日本医療マネジメント学会雑誌
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手指消毒の有効性とコンプライアンスを高める為の取り組み
蛍光塗料を用いた評価ポスターの作成
川邊 陽子伊賀 喜美江塩田 美佐代
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2006 年 7 巻 2 号 p. 347-351

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抄録

CDC (Centers for Disease Control and Prevention) が速乾性擦式消毒剤の使用による手指消毒を推奨した為、当院看護部感染予防委員会では手指消毒のコンプライアンスを高める為の指導を計画的に実施している。今回、正しい手指消毒方法が習得されているか評価を行った。
当院看護師153名を対象とした。指導前現状調査として蛍光塗料を速乾性擦式手指消毒剤と同様に手指に擦り込み、ブラックライトを用いた手指消毒トレーニング機械で、塗り残し部位を左右の手及び部位別に評価した。現状調査後に指導マニュアルを用いた正しい手指消毒方法の指導を実施した。また、塗り残し部位を点数化して手のイラスト上に表し、各部署にポスターとして掲示することで、具体的指導を実施した。さらに指導後は、指導前と同様に手指消毒トレーニング機械を用いて評価を行った。
χ2検定を用いて有意差検定を行った結果、指導後には、手掌側は右手手掌・第3指・第4指、左手第1指・第3指・指先、手背側は右手第4指、左手第3指で有意の改善を認めた。
指導前の現状を具体的に図示したポスターを掲示し、それを基に指導したことや、手指消毒トレーニング機械を用いたことで適切な手指消毒方法が体験できたことによって、手指消毒のコンプライアンスの向上につながった。

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