2017 年 6 巻 1 号 p. 19-27
目的:乳幼児を育てる母親が認識する,地域活動への参加によりもたらされたものと,関連した地域活動の特性について,質的に探究し記述することを目的とした.
方法:地域活動へ参加する乳幼児を育てる母親を対象に半構造化面接を行い,データを質的帰納的に分析した.
結果:母親にもたらされたものは6つのカテゴリーで示され,気持ちのゆとりや育児の自信、地域の人とのつながり,不安の軽減、地域の人への信頼などであった。母親が認識した地域活動の特性は5つのカテゴリーで示され,母親のニーズを自然に満たす,気持ちや経験を共有しつながりを築けるようにする,気持ちを軽くする,力を得られるようにするなどであった.
結論:地域活動への参加により,母親の育児や精神的・社会的健康に変化や効果をもたらしていた.地域活動の特性は,セルフヘルプ・グループ,エンパワメント,ソーシャル・キャピタルなどの概念で説明できると考えられた.