大学体育学
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研究資料
ゴルフ授業における教場環境の違いが学習効果とゴルフ継続意欲に及ぼす影響
-同一教員が担当した5大学における考察-
北 徹朗山本 唯博
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 10 巻 p. 61-70

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抄録

本研究では、簡易的なフィールドや用具で実施されることの多い大学ゴルフ授業を対象として、異なる教場環境が受講後の学習効果やその後のゴルフ実施への意欲にどのような影響を及ぼすか検討しようとした。対象は、首都圏5大学でゴルフ授業を履修した330名であった。授業前および授業後に集団面接法によるアンケート調査を実施し、教場環境と受講後の意識の相違について検討した。その結果、実際のコースラウンドを伴う授業を受講した学生の多くは「授業内容」、「用具」、「施設」に対する満足度が高く、「今後本格的にゴルフを始めたい」と感じている比率が高かった。また、「エチケット、マナーの知識」についても多くのことが学べたと感じ、ゴルフの運動強度に対する理解も他の群に比べて相違が認められた。さらには、授業後の「ゴルフに対するイメージの変化」や「ゴルフに対する関心度」についても増加比率が高い傾向が認められた。他方、テニスコートにおいて穴あきプラスティックボールで実施されたクラスでは、「あまり楽しくなかった」との回答率が高く、「用具」や「施設」にも「不満である」との回答が多かった。ゴルフコースを利用した「ラウンドの経験」は、授業における満足度が高いだけでなく、今後のゴルフ実施に対する意欲を顕著に高めるものであった。他方、グラウンドに簡易コースを設置してコースを回らせる授業方法では、受講生の将来のゴルフへの取り組みに対する意欲はあまり養われなかった。打ちっぱなし練習が中心の授業でも同様であった。

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© 2013 全国大学体育連合
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