大学体育学
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研究資料
体育系大学生に対する水泳授業の効果: 水泳に対する態度と泳能力からの検討
中井 聖
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 11 巻 p. 57-63

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抄録

本研究では,体育系学科に属する大学生を対象として大学での水泳授業実施前の水泳に対する好き嫌いと得意不得意の度合い,授業実施前と7回の授業実施後のクロール,背泳ぎおよび平泳ぎ50m全力泳の泳記録を調査し,それらの関係について検討した.その結果,本研究の被験者は水泳に対する好き嫌いについて偏向した感情を有していないが,全体として泳能力が低く,水泳をやや不得意に感じていた.また,小学校から高等学校にかけて獲得された泳能力が優れているほど水泳をより得意と感じ,水泳がより好きであることが明らかとなった.加えて体育系大学生に対する水泳授業においては,泳記録や泳距離の向上を目指し,各泳法の基本技能を確実に習得させ,十分な量の泳距離を確保した授業を行えば,高等学校までに獲得された泳能力が低くても泳能力を改善することが可能であることが示唆された.

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© 2014 全国大学体育連合
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