2016 年 13 巻 p. 72-81
大学の教養体育の学修成果について明らかにするために、大学卒業生に教養体育の授業の感想や思い出(エピソード)を自由記述で回答させる調査を行った。調査は2015年8月上旬にインターネットで行い、調査対象は次の3つの条件を満たすものとした。①4年制大学の在学中に教養体育の授業を受講したもの、②卒業して5年目までの30歳以下の男女、③3大都市圏にある私立大学の卒業生。有効回答の内訳は男性102人(38.6%)、女性162人(61.4%)であった。得られたおもな結果は以下の通りである。
1.自由記述回答をテキストマイニングした結果、体育科目で楽しかったこととして、「体を動かしたこと」「男女混合であること」「他の学部や学科の学生と交流し仲良くなること」が主な回答であった。
2.自由記述回答をテキストマイニングした結果、体育科目でためになったことや現在役立っていることは、男女に共通して見られたのは、「大学の体育授業で運動ができて良かった」「体を動かした」であり、男女別に見ると、男性に「定期的な運動習慣と健康」「筋力トレーニングについて知った」が、女性に「ストレッチの基礎、今も続けていること」が主な傾向であった。また、回答の多かった競技種目からは男女の選好の違いが見られた。
3.人間性の涵養に関するようなエピソードは3件しか得られなかった。このようなインターネット調査では限界があるのかも知れない。インタビューや座談会調査のように時間をかけて記憶を紡ぎ出すような方法も検討する必要があると思われる。