大学体育学
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原著論文
女子大学生の身体不活動を規定する心理的要因の縦断的検討
松本 裕史坂井 和明野老 稔
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 5 巻 p. 27-34

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抄録

本研究の目的は,身体的に不活動が予想される女子大学生を対象に,運動行動変容の媒介変数である心理的要因の変化が,運動行動変容ステージの移行に及ぼす影響を縦断的に検討することであった.具体的には,トランスセオレティカル・モデル(TTM)の構成要素である運動に関する意思決定のバランスおよび運動セルフ・エフィカシーの変化が運動行動変容ステージの移行に及ぼす影響を検討した.調査対象者は,女子総合大学栄養学系の女子大学生309名であった.調査は,3ヵ月の期間をあけて,2回実施された.分析の結果,運動行動変容ステージの移行と関連を示した変数は,前熟考ステージに属した者のステージ進行に対する意思決定バランス負担因子の変化量(オッズ比 .79:95%信頼区間 .68―.93),熟考ステージに属した者のステージ逆戻りに対する運動セルフ・エフィカシーの変化量(オッズ比 .72:95%信頼区間 .53―.98),および準備ステージに属した者のステージ進行に対する運動セルフ・エフィカシーの変化量(オッズ比1.53:95%信頼区間1.04―2.25)であった.本研究の結果から,身体不活動な女子大学生に対してTTMに基づいた身体活動介入を行う場合,女子大学生特有の反応を考慮した介入アプローチを行う必要性が示唆された.

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© 2008 全国大学体育連合
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