本研究では、DBSSUを改訂することを第一の目的とし、加えて水泳や水中運動の恩恵と負担および水泳・水中運動実施の主観的な環境の認知の測定を行い、それらの行動意図への影響を検討することを第二の目的とした。大学生254名を対象とした予備調査から水泳・水中運動の恩恵については7カテゴリが得られ、負担については8カテゴリが得られ、そのうち行動変容段階に応じて差異が確認された計6カテゴリ(恩恵:「全身運動」「健康・体力づくり」「ストレス解消」、負担:「面倒さ」「疲労感」「所要時間」)を採用し、それらを基に尺度項目が作成された。次いで、大学生580名を対象とした本調査のデータについて項目分析および探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行なった結果、9項目3因子構造が確認され、「改訂版水泳・水中運動の意思決定バランス尺度-大学生版(DBSSU−R)」と命名した。α係数および再テスト法により信頼性が確認された。また、行動変容段階における下位尺度得点から構成概念妥当性を確認した。水泳・水中運動の意思決定バランスおよび主観的な環境の認知が水泳・水中運動の行動意図に及ぼす影響を重回帰分析により検討したところ、行動変容ステージにて影響の差異が確認された。すなわち、‘初期ステージ’ では安価に利用できるプール施設および疲労蓄積に関する負担が行動意図に影響を及ぼしたのに対し、‘後期ステージ’ では衛生的できれいなプール施設が行動意図に影響を及ぼした。これらを踏まえ、大学体育における今後の水泳・水中運動の授業での介入の視点について詳細に述べられた。最後に本研究の制限と今後の課題について議論された。