大学体育学
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原著論文
体育実技授業における心理社会的要因を媒介変数としたメンタルヘルス改善・向上効果のモデル構築
橋本 公雄
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 9 巻 p. 57-67

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抄録

身体活動や運動のメンタルヘルス効果に関する研究は数多くなされているが,そのメカニズムに関する研究は少なく,未だ運動指導の現場に適用できるようなメンタルヘルスを改善・向上させる有用な実行モデルは構築されていない.本研究では,橋本・堀田・山﨑・甲木・行實(2009)が提示した心理社会的要因を媒介変数とする「運動に伴うメンタルヘルス効果モデル」の検証を試み,体育実技授業への適用の可能性を探ることを目的とした.大学1・3・4年生男女432名(男子:318名,女子:114名)を対象に身体活動,社会的スキル,メンタルヘルスを含む調査票を2009年と2010年に2回実施した.横断的データを用いて,仮説モデルの検証を階層的重回帰分析と共分散構造分析を用いて行った.その結果,心理社会的要因としての社会的スキルは運動とメンタルヘルス(ストレス度と生きがい度)を繋ぐ媒介変数であることが明らかにされ,体育実技授業におけるモデルの適用の可能性と社会的スキルの向上に向けた介入法が論じられた.

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© 2012 全国大学体育連合
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