抄録
In vitroにおけるカドミウムと生体成分の結合を肝臓, 腎臓および小腸粘膜の各上清画分を用いて検討したところ.1)In vivoの場合と同様in vitroにおいても添加したカドミウムは各上清画分中のHM-frとMT-frとに結合して存在した.2)正常ラットにおける肝臓上清画分には腎臓や小腸粘膜の場合と同様thioneinは少なく, カドミウム5μg添加の時からMT-frよりHM-frに結合するカドミウムの方が多かった.一方カドミウム前処置ラットの場合はendogenous MTが多い(カドミウム量として約6.9μg/ml sup.fr.)のにもかかわらずカドミウム40μg添加まではなおthioneinと結合するカドミウムの方が多いが, それ以上ではHM-frとの結合カドミウムが増加した.3)カドミウム前処置ラットの腎臓ではendogenous MTがカドミウム量として約2.4μg/ml sup.fr., また小腸粘膜では約0.1μg(皮下注射), あるいは約1.6μg(経口投与)存在していたが, これらの臓器においてはin vitroでthioneinと結合するカドミウム量は正常ラットとほとんど差がなかった.