抄録
1.塩化カドミウムは培地濃度10ppm以上で鶏胚脛骨の生長を阻害した.2.塩化カドミウムを20ppm濃度になるように添加した培養骨についてカルシウム, 無機リン, オキシプロリン, ウロン酸, DNAの各含量をしらべたところ, 培養による各成分の含量増加はカルシウムでは29%, 無機リンでは61%, オキシプロリンでは86%, ウロン酸では103%, DNAでは154%阻害された.3.コントロールの培養骨ではCdが不検出であったが, Cd添加培養骨ではCdのとりこみは明白であった.4.塩化カドミウム添加培養骨の組織学的所見として, 軟骨細胞の高度の変性と壊死, 軟骨基質の形成不良化, 骨のほとんど完全な阻止などがあげられた.