2017 年 20 巻 1 号 p. 13-23
英国のバースセンターで働く助産師が働く上で持っている考えを明らかにすることを目的に,助産師6 名にインタビューガイドに基づく半構造化面接を行なった。得られたデータを質的帰納的に分析し,カテゴリー化した。英国の助産師は,【英国の出産において助産師は必要な存在である】と捉え,【助産師は正常な出産を守る】【助産師は出産を女性中心に考える】という助産観を持ち,【正常産を守るため出産を医療から離す】【ガイドラインに対する考え方は様々でも,女性の意思を尊重した出産へ向けて努力する】【助産師はマタニティケアに必要なスキルを持っている】【正常産に関わりたい】と考え助産師としての仕事を実践していた。バースセンターで働く助産師は,英国の助産師教育や,政府のマタニティ政策の後押し,また,政策の中に産む女性と助産師が明確に位置づけられていることによって,専門職としての意識が高められていると考えられた。