抄録
【目的】青年期軽度発達障害児における協調運動の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は軽度発達障害児(以下,発達障害児)25 名,健常児(対照児)25 名とした.本研究は横断的研究として行い,評価項目はN 式幼児協調性評価尺度とした.各項目と全体の合計点を対応のないt 検定にて検討した.【結果】下手投げ,上手投げの
投球フォームに差はなく,投球動作の上肢・体幹,下肢の動きで発達障害児が有意に低かった.捕球動作はバウンドの有無に関わらず体幹や下肢の動きの採点項目で発達障害児が有意に高かった.【結論】バレーボールやテニスボールの投球動作では,一般的な速度でのボールコントロールに問題はなかったが,投球時の上肢や体幹,下肢の動きに協調性が欠けていることが明らかとなった.捕球動作では発達障害児で過剰な動きが確認された.課題の
難易度が上がることでボールコントロールに問題が出る可能性が示唆された.