抄録
屋内での転倒により頭部外傷が引き起こされる事故が数多く報告されている。本研究は数値シミュレーションを用いて、転倒により引き起こされる頭部外傷に対して絨毯の保護効果を定量的に明確にすることを目的とした。本研究では、4 つの転倒姿勢を想定しヒト全身数値モデルを用いて頭部が床面に衝突した時の全身挙動を再現した。次に、頭
部に作用した外力を頭部有限要素モデルに入力し、力学的応答を計算し、骨折、脳挫傷、脳震盪の発症リスクを算出し比較した。床面は、フローリングのみ、絨毯とフローリング、アンダーフェルトと絨毯の3 種類とした。頭部外傷発症リスクは、フローリングのみが最も高く、アンダーフェルトと絨毯の組み合わせを使用した場合が最も低かった。よって、
クッション性の高い絨毯は保護性能が高く、絨毯は頭部外傷の発症率を低減させる効果のあることが判明した。