日本保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-3018
Print ISSN : 1880-0211
ISSN-L : 1880-0211
男⼥差に着⽬した⾼校⽣のボディイメージ 〜⽂献レビューを通じて〜
丸山 祐佳安達 久美子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 21 巻 Supplement 号 p. 21

詳細
抄録
【⽬的】先⾏⽂献により,男⼥差に着⽬して⾼校⽣におけるボディイメージの実態を明らかにする.【⽅法】医学中央雑誌WEB を⽤いて,キーワードである『⾼校⽣,ボディイメージ,体型認識』で抽出した⽂献(会議録を除く)42 件をスクリーニングし,該当⽂献14 件を抽出した.抽出した⽂献を丹念に読み,その結果,男⼥別の⾼校⽣の実際体型,理想体型,⾃⼰認識体型について明らかにした.【結果】ボディイメージの体型指標としてBMI を使⽤した⽂献が6 件,質問紙を使⽤した⽂献は13 件,シルエット法を使⽤した⽂献は2 件であった.その結果,男⼥とも平均 実測値はBMI20 であり適正体型であったにも関わらず,ボディイメージには男⼥差があった.男⼦では約半数が標準体型と認識し,現状維持を望んでいた.⼥⼦では,約半数以上が肥満体型と認識し,圧倒的に痩せ願望が強かった. 【考察・結語】ボディイメージの捉え⽅には男⼥差があることがわかった.特に⼥⼦では痩せを美化した社会の影響も⼤きく,ボディイメージを否定的に捉えていた.男⼦に⽐べて⼥⼦は現実と理想の体型のギャップも⼤きく,その背景には思春期における体型変化の差や認識の違いがある.男⼥とも誤ったボディイメージは,不適切なダ イエットのきっかけとなってしまう.そのため,思春期という急速な⾝体的成⻑を受け⽌め,本来の健康な⾝体の在り⽅を理解できるような早期からの健康教育が必要であることが⽰唆された.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top