抄録
【⽬的】我が国における定年退職期⾼齢者の就労に関して研究の動向を把握することである.【⽅法】検索は,「医中誌」,「CiNii Articles」,「J-GLOBAL」を⽤いて,「⾼齢者 and ((定年or 退職) or (就労 or 就業 orシルバー⼈材センター))」を検索式として⾏った.なお,会議録,解説・総説等を除外対象とした.各論⽂の⽬的,調査⽅法等を整理・分析し,また各論⽂の研究⽬的を端的に表しラベル化,内容が類似しているものをカテゴリ化していった.【結果】Web 検索のヒット件数は,のべ1895件であり,除外条件を適⽤した結果,31 件の論⽂を対象とした.研究の内容は,最終的に2つの⼤カテゴリ【⾼齢者の再就労が⼼⾝の健康に与える影響の検討】,【⾼齢者再就労及び⽀援・制度の調査と促進のための検討】が⾒いだされた.また,就労を左右する要因は,年齢,経済状況,主観的健康感,⼈間関係等であった.【考察】就労に関して先⾏する,⾝体・精神障害領域の研究状況と⽐較すると,社会⼼理的な配慮の重要性が共通点として認められる.⼀⽅相違点として,⾼齢者においては,これまで慣れ親しんできた職務内容・職場環境を重要視すること,実際の職務内容と本⼈が望む内容とにズレがあるとの報告が散⾒される.これらがみられる理由には,⾼齢期において,⾃分が⼈⽣の中で確⽴してきた要求に沿って物事を選択する連続性理論が提唱されており,⾼齢者の特徴の⼀つではないかと考えられる.