胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
日本胆道学会認定指導医養成講座
胆管上皮性腫瘍の病理:現在の診断基準とその問題点
近藤 福雄
著者情報
キーワード: IPNB, MCN, 卵巣様間質, BilIN分類
ジャーナル フリー

2013 年 27 巻 4 号 p. 680-688

詳細
抄録

胆管内乳頭腫瘍IPNBと胆管嚢胞腺腫瘍MCNの鑑別法として,胆管との交通,卵巣様間質の有無が重要とされている.しかし,その問題点もある.胆管との交通は,画像的にも病理的にも,検索困難な場合がある.また,卵巣様間質はその本体が未だ解明されておらず,異所性卵巣か,線維芽細胞かが確定されていない.また,IPNBとMCNは中間的病態を認めない異なる疾患単位であるのか,それを認める異なるサブタイプであるのか,疾患概念の解釈の問題も存在する.胆管上皮内腫瘍BilINの分類は胆管上皮性腫瘍の異型度を表すのに非常に便利であり,多段階発癌の段階の解釈としても有用である.しかし,この理解のみで解決できない診断困難な組織所見も存在する.このような病理診断の限界に対し,今後さらに努力を重ねる必要がある.最後に,胆道癌取扱い規約の病理所見に補足的説明を加えた.

著者関連情報
© 2013 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top