抄録
本研究の目的は、分娩施設の助産師が実施している産後家庭訪問における助産実践と課題 を明らかにすることである。産科病棟に勤務し産後家庭訪問の経験のある助産師 8 名に半 構造化面接を行った。助産師は訪問時に【母親の思いを受容】するかかわりを重視し、【不安・心配の解消と育児の承認】を行うことで育児に向かう母親を支えていた。また【継続し たかかわりから可能となる判断とケア】、【助産師の強みを生かしたケア】、【生活環境に合 わせた判断とケア】を実践し、必要時【多職種連携による退院後の支援】につなげていた。【産 後家庭訪問継続に向けた地域連携システムの改善と助産ケアの向上】が課題であり、退院 後の母子とその家族への切れ目ない支援のために、多職種の連携・協働、産後家庭訪問の 評価と見直し、退院後の母子の実情を生かし助産ケアの質の向上、助産師としての自己研 鑽の必要性が明らかになった。