好酸球細胞外トラップ細胞死(EETosis)は,好酸球が核DNAあるいはミトコンドリアDNAを細胞外に放出し,顆粒蛋白などと複合体を形成することで病原体の捕捉や組織傷害を引き起こす現象である。近年,好酸球性副鼻腔炎における高粘性ムチンの形成や組織損傷,さらには大腸がんなどにおける抗腫瘍効果の一端を担う可能性が示唆されるなど,EETosisは多岐にわたる病態生理学的影響を及ぼすことが明らかとなってきた。また,ガレクチン-10やCharcot-Leyden crystalsなどの好酸球特異的蛋白質の関与,cfDNAを標的としたスカベンジャーの開発,およびscRNA-seq解析の進展により,EETosis制御の分子基盤と病態への関与機序の解明が加速している。本稿では,EETosisの歴史的背景から分子メカニズム,炎症・免疫応答・腫瘍などにおける病理学的意義,そして今後期待される新規治療戦略の可能性について概説する。