耳鼻と臨床
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III. 化学放射線療法 (CCRT) と頸部制御
化学放射線療法 (CRT) 後の頸部郭清術
松浦 一登浅田 行紀加藤 健吾山崎 宗治西條 茂
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2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S98-S103

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抄録

近年、化学放射線治療 (chemoradiotherapy : CRT) が標準治療となるに従い、その治療後の残存・再発腫瘍に対する救済手術が注目されてきた。当科で行った CRT 後の頸部郭清術は 794 例中 14 例、1.8%であり、他院既治療例を含めても 867 例中 29 例、3.3%と予想したよりも少ない症例数であった。当科での CRT 後の頸部郭清術は根本的頸部郭清術を選択する割合が高くなっていたが、世の趨勢は CRT 後であっても郭清野を狭めて、より侵襲度の小さい郭清を選ぶ方向にあった。当科で CRT 後に頸部郭清を行った全 29 例での生存率は、疾患特異的 5 年生存率 49.3%、5 年粗生存率 38.4%であり、あきらめずに救済手術を試みる価値があるものと考えられた。

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© 2009 耳鼻と臨床会
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