抄録
2000 年 7 月から 2009 年 3 月の間に耳下腺腫瘍手術を施行した 125 例を検討した。男性 59 例、女性 66 例で、60 歳代が多く (15歳 - 88 歳)、平均年齢は 54.6 歳であった。病理組織学的には多形腺腫が 62例 (49.6%) と最も多く、次いでワルチン腫瘍が 45例 (36.0%) であった。多形腺腫は女性に多く、ワルチン腫瘍は男性に多く、平均年齢はワルチン腫瘍の方が高年齢であった。摘出腫瘍の大きさは、10 - 160 mm大で、平均は 29.9 mmであった。術後合併症として顔面神経麻痺 28 例 (22.4%)、唾液漏 5 例 (4.0%) を認め、頻度は従来の報告とほぼ同等だった。Frey 症候群は認めなかった。耳下腺良性腫瘍に対しては、合併症の可能性も含め患者ならびに家族への十分なインフォームド・コンセントを行い、積極的に根治治療を行うのがよい。