Oncocytic carcinoma (malignant oncocytoma) は極めてまれな悪性腫瘍であり、症例は少なく診断基準や治療方針は確立されていない。今回われわれは顎下腺および耳下腺を原発とする oncocytic carcinoma の 2 例を経験したので報告する。症例 1 は 64 歳の男性で耳下腺原発の oncocytic carcinoma である。手術加療および局所への放射線治療追加を行い原発巣の制御は可能であったが、術後 2 年が経過し、遠隔転移が出現した。化学療法を行うも術後 4 年後に死亡した。症例 2 は 58 歳の男性で顎下腺原発の oncocytic carcinoma である。第一選択として外科的治療を行った。術前待機期間に化学療法としてTS-1
® (120 mg/日)を 2 週間内服し腫瘍の縮小が認められた。根治手術が可能であったが、今後も転移や再発に対し厳重な follow up が必要と考えられた。
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