抄録
九州大学病院耳鼻咽喉科で行われた鼓室形成術III型症例において、術後聴力改善の成功率とアブミ骨可動性、アブミ骨周囲病変の有無、ツチ骨キヌタ骨病変の有無、Middle ear risk index (MERI)、手術回数、術式との関連について回帰分析を用いて検討した。その中で有意な相関を認めたものは、アブミ骨周囲病変の有無と MERI であった。アブミ骨可動性の術中評価に関しては、成功率との有意な差を認めなかった。このことは、アブミ骨可動性の主観的判断には限界があり、客観的に数値化された手技が必須であることを示唆している。