耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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原著
側頭骨内聴神経小腫瘍のコンビーム CT 所見
新川 樹一郎新川 真那実山本 英永陶 陽大石 真綾矢野 さゆり宮本 ゆう子新川 敦
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2015 年 61 巻 3 号 p. 75-79

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抄録

初期の聴神経腫瘍の診断において、CT 検査はあまり有用ではなく、造影 MRI 検査がスタンダードな診断方法とされている。内耳道内腫瘍、あるいは小脳橋角部腫瘍の存在が耳鼻咽喉科でなく、他科から指摘されるようになり、耳鼻咽喉科がその診断に関与することが少なくなっているとわれわれは考えている。コンビーム CT は今までの CT と比較し小型で詳細な画像が得られるデバイスである。今回は聴神経腫瘍と診断した症例のうち、コンビーム CT にて内耳道内に腫瘍の外側壁と思われる部位に弧状の隔壁を疑わせる陰影を認める 2 例を報告した。近年、聴神経腫瘍は手術が第一選択ではなくなり、治療の選択の幅が広がっている。今回のコンビーム CT 所見が腫瘍の外側壁であることが今後追加報告などで明らかにされれば、聴神経腫瘍の診断の一つの選択肢になる可能性があると考える。

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© 2015 耳鼻と臨床会
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