抄録
上咽頭癌に対する治療効果、転帰および再発形式について検討を行った。2004 年 4 月 − 2014 年 3 月までの 10 年間に当科で一次治療を行った上咽頭癌 24 例を対象とした。治療は全症例において S-1 内服を併用した化学放射線治療(CCRT)を行い、CCRT 終了後に頸部リンパ節転移巣残存症例に対しては頸部郭清術を行った。全体の 3 年疾患特異的生存率(CSS)は 82.1%であり、4 例が原病死した。他施設の報告では、CCRT に併用する薬剤として CDDP、CBDCA といった白金製剤が選択されているが、その成績と遜色はなかった。遠隔転移のある M(+)症例 4 例についての3年 CSS は75.0%であり、喉頭癌や下咽頭癌の M(+)症例と比較すると、予後良好であり治療開始時に遠隔転移を有していても、積極的な加療が望まれる。