2018 年 64 巻 1 号 p. 11-15
インプラント治療に伴う合併症としての歯性上顎洞炎の報告が散見される。初期の対応としては、まず投薬による急性炎症の沈静化を図るが、難治症例においてはインプラント体や骨充填剤の抜去が必要かの結論は得られていない。当科でインプラント治療の関与が疑われた上顎洞炎に対して、内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS:endoscopic endonasal sinus surgery、以下 ESS 略す)を施行した 2 例を経験した。2 例の共通点は炎症による中鼻道自然口ルートの狭小化、血清総 IgE 値の高値、複数のアレルゲンに対する特異的 IgE 抗体が陽性である点で、ESS とアレルギー性鼻炎に対する治療を行い、インプラント体、骨充填剤は温存したまま治癒することができた。