耳鼻と臨床
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原著
脳疾患と呼吸器疾患に伴う嚥下障害に対する取り組みの比較
片岡 舞山野 貴史藤原 信一郎押川 達郎坂田 俊文柴田 陽三
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2018 年 64 巻 4 号 p. 138-144

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抄録

福岡大学筑紫病院において、摂食嚥下リハビリテーション(以下、嚥下リハ)を実施した中から脳疾患 96例と呼吸器疾患 58例の計 154例を対象に、嚥下障害に対する取り組みの現状について分析した。初回の嚥下評価では呼吸器疾患群は脳疾患群に比べ知覚低下や喉頭侵入・誤嚥の所見が有意に多く、咽頭残留、口腔内汚染が多い傾向にあった。脳疾患群では呼吸器疾患群に比べ、入院3 日以内の嚥下リハ開始例は有意に多く、介入日数も有意に長かった。退院時の摂食状況には両群間に有意差は認められなかった。経口摂取に至らなかった主な要因は、脳疾患群では意識障害、呼吸器疾患群では肺炎の遷延化による全身状態の悪化であった。嚥下リハ内容と効果との関連性には言及できなかったが、診療部署により嚥下障害に対する意識や方向性に違いがあることも推測されたことから、今後は統一したシステムを構築していく必要があると思われた。

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© 2018 耳鼻と臨床会
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