当科で内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS:endoscopic endonasalsinus surgery、以下 ESS と略す)を施行した歯性上顎洞炎症例について検討した。歯性上顎洞炎であっても上顎洞のみに炎症が限局しているのは半数以下であり、半数以上は他の副鼻腔にまで炎症が波及していた。また、ほとんどの症例で鼻腔形態改善のために下中鼻甲介形成や鼻中隔矯正などを併用していた。さらに根尖性歯周炎の診断から抜歯した6例中3 例について、抜歯のみでは症状が改善せず、抜歯後に ESS に至っていた。保存的治療で改善を認めない歯性上顎洞炎に対しては、複数の副鼻腔を扱い同時に鼻腔形態改善手術の併用できる ESS を中心とした治療が有用であると考える。