2018 年 64 巻 6 号 p. 215-222
当科では進行上顎洞癌に対して CDDP 100mg/m2/回を毎週−隔週で投与する RADPLAT を行っている。2011年2月から2017 年8月の間に経験した 25 例について組織学的治療効果を検討した。40 Gy 照射時点の RECIST による評価で CR 例はなく、PR 23 例、SD、PD が各1例で70 Gy 根治線量による制御は困難と考えられたため全例で手術を行った。頭頸部癌取扱い規約の組織学的治療効果判定ではほぼ半数の 13 例で腫瘍が消失したGrade 3 であったが、Grade 2が10例、Grade 1も2例あった。Grade 1 a の1例(T4a、動注 4 回)で上顎洞後壁断端が陽性のため唯一 30 Gy の追加照射を行った。T 分類や動注の回数、腫瘍の分化度と組織学的治療効果判定との関連には一定の傾向はみられなかった。 また、RECIST による評価と組織学的治療効果判定には相関がみられない例があった。