耳鼻と臨床
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原著
病歴から診断した椎骨脳底動脈循環不全に対する複数の薬剤併用療法におけるトフィソパムとジフェニドールの有効性についての検討
松吉 秀武山西 貴大後藤 英功
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2019 年 65 巻 2 号 p. 39-48

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抄録

耳鼻咽喉科診療所において VBI は、診断が困難で治療方針も確立されていない。われわれは日本めまい平衡医学会にて作成された「めまいの診断基準化のための資料」の「病歴からの診断」に基づき VBI を診断し、VBI スコアを用いて、ATP +塩酸ジラゼプ+イブジラスト投与が VBI に適したことを報告した。今回トフィソパムとジフェニドールの有効性を検討した。前報告に継続し、D 群(ATP +イブジラスト+トフィソパム)と E 群(ATP +ジフェニドール)の 2 群に分け、比較した。D 群は VBI スコアに相乗効果はなく、DHI スコアでは D 群では B 群(ATP +イブジラスト)と比較し、初診時から 2 週後にかけて、有意に改善した。E 群では VBI スコアは初診時から 2 週後に有意に改善し、初診時から 4 週目にも有意に改善した。4 週後の同スコアは、C 群(ATP +塩酸ジラゼプ+イブジラスト)と同程度であった。DHI スコアは初診時から 4 週後までの同スコアの改善値は 15.7 ± 22.4 点で、C 群の 25.0 ± 26.4 点に劣った。ジフェニドールは VBI 特有の症状改善には有効であるが、DHI の改善効果は低かった。

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© 2019 耳鼻と臨床会
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