耳鼻と臨床
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症例報告
混合性難聴を来した incomplete partition type Ⅲ様の内耳奇形の 1 例
廣田 香織松本 希中川 尚志
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2019 年 65 巻 2 号 p. 49-53

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抄録

IP-3 に類似した内耳奇形の 1 例を報告する。症例は 7 歳男児で混合性難聴があり 9 カ月時から補聴器を装用している。家族歴は母と双子の妹が補聴器を装用している。両親が人工内耳装用を希望し関連病院を受診した。気導聴力は両耳とも三分法平均 100 dB であったが、骨導聴力は 25 − 50 dB であった。補聴器装用閾値は全音域で 35 − 45 dB であった。人工内耳の適応はなく、難聴の原因精査が必要なことを説明したが人工内耳の希望が非常に強く、当科を紹介され受診した。側頭骨 CT で迷路骨包の骨密度が低く、蝸牛軸は形成不全で内耳道と広く交通しており、IP-3 と診断された。IP-3 症例は補聴器の効果が見られるうちは人工内耳植込術は推奨されない。難聴児を診察する耳鼻咽喉科医は、内耳奇形により異なる難聴の機序を理解し、分かりやすく情報提供する能力が求められると考えられた。

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