耳鼻と臨床
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原著
先天性外耳道閉鎖症に対する浅側頭動脈皮弁を用いた外耳道造設術
森部 一穂竹市 夢二黒田 陽村上 信五
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2019 年 65 巻 3 号 p. 73-79

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抄録

外耳道閉鎖症は小耳症に合併することが多い。小耳症形成術は一般的に行われているが、外耳道造設術はあまり行われていないのが現状である。外耳道造設術は長期的にみて、皮弁の壊死や鼓膜の浅在化などが起こり、再手術を必要とすることが少なくない。われわれは外耳道造設術を 2 回に分けて段階的に行っている。Ⅰ期では浅側頭動脈を茎とする細長い浅側頭動脈皮弁をらせん状に挿入して円筒形の外耳道を作製し、Ⅱ期手術として全層植皮を行い、深部の外耳道と鼓膜を作成する。段階的に形成することにより、植皮片が骨面ではなく、血流の安定した皮弁軟部組織の上に移植されるため、植皮生着率が上がり鼓膜の浅在化が起こりにくくなる。12 人、13 耳に手術を施行した。最初の 6 耳は側頭骨皮質骨をコルメラにして耳小骨再建を行ったが聴力改善が不良であったため、以後の 7 耳には PORP®を用いて耳小骨再建を行った。術後平均純音聴力( 3 分法)は側頭骨皮質骨使用例で 56.4 dB、PORP®使用例で 38.8 dB と PORP®使用例で良好な結果となった。 術後の聴力はまだ十分に満足できるものではない。今後は聴力改善不良例の原因を模索し、外耳道の狭窄や浅在化についても、より長期的に観察する必要があると考えている。

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