耳鼻と臨床
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原著
下咽頭癌における DNA 修復酵素遺伝子多型と発癌についての検討
疇地 里衣平川 仁池上 太郎長谷川 成海山下 懐安慶名 信也上原 貴行田中 克典上里 迅真栄田 裕行鈴木 幹男
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2020 年 66 巻 2 号 p. 35-40

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抄録

頭頸部癌の発症と DNA 修復酵素遺伝子多型との相関に関し、いまだ結論は出ていない。われわれは沖縄地域において罹患率の高い下咽頭癌の発症が、DNA 修復酵素遺伝子多型と関連するかを検討した。琉球大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した下咽頭癌患者 117 例と非癌疾患の患者 125 例に対し、DNA 修復酵素である ERCC1、XPD312、XPD751、XRCC1 の遺伝子多型の頻度を比較した。結果は下咽頭癌患者と非癌疾患患者との間で各遺伝子多型発現頻度において有意な差はみられなかった。さらに TNM 進行度と遺伝子多型の頻度を比較したところ XRCC1 多型を有する群において遠隔転移は有意に低かった。XPD312、XPD751 に関して欧米諸国と比較したところ変異アレル頻度が低かった。以上より、日本人においてこれらの遺伝子多型は発癌には関連しないが遠隔転移との相関が示唆された。また XPD 遺伝子多型には民族間の差があり、特に沖縄地域では変異アレルの頻度が低い可能性があると考えられた。

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