2021 年 67 巻 4 号 p. 241-246
結節性筋膜炎は線維芽細胞・筋線維芽細胞の増殖を主体とした炎症性の良性疾患で、急速に増大することから、しばしば肉腫など悪性腫瘍との鑑別が重要となる。今回われわれは、左耳甲介に発生した結節性筋膜炎の 1 例を経験した。症例は 20 歳、男性。もともと耳を触る習慣があり、前医にて左耳甲介から外耳道に充満する易出血性の腫瘤性病変を指摘され、外科的に切除されたものの再発し当科(熊本大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科)を紹介された。前医での病理診断は結節性筋膜炎であったが、腫瘤の再増大が急速であり、画像上周囲への浸潤も疑われたため、十分な切除範囲をつけて全摘出した。術後病理でも結節性筋膜炎の診断で、術後 7 カ月時点で再発なく経過良好である。