2022 年 68 巻 5 号 p. 340-345
従来、鼻腔異物に比較して副鼻腔異物の報告はまれとされているものの、近年歯科治療の発展に伴い、医原性副鼻腔異物の報告例は増加している。今回われわれは、副鼻腔異物に真菌感染を合併した 2 例を経験したため報告する。副鼻腔異物の症状は、無症状で経過するものから、急性あるいは遅発性に副鼻腔炎症状を伴うものまで症例によりさまざまであるが、異物に真菌感染を合併する場合もあるため、無症状であっても摘出が望ましいと考えられる。治療方法は近年侵襲の少ない内視鏡下鼻副鼻腔手術による摘出が増えてきており、異物の部位や大きさによって適切な術式を選択することが必要と考えられた。