2022 年 68 巻 6 号 p. 419-425
紡錘細胞癌(spindle cell carcinoma;SPCC)は扁平上皮癌の亜型で扁平上皮癌成分と肉腫様の紡錘細胞成分が混在する悪性腫瘍で、頭頸部扁平上皮癌の 1−3%を占める。頭頸部領域では喉頭や口腔に比較的多くみられるが、下咽頭では比較的まれな腫瘍とされる。腫瘤表面には扁平上皮癌成分のみが認められることがあり、生検では確定診断できないことも多い。治療は手術が第一選択となり、化学療法・放射線治療の有効性は確認されていない。今回われわれは、術前には SPCC の診断が得られず、摘出後の病理所見ではじめて確定診断に至った下咽頭発生の SPCC を経験した。さらに当科で経験した他の頭頸部発生 SPCC 8 例とともに報告した。