2024 年 70 巻 2 号 p. 64-69
先天性サイトメガロウイルス感染症(cCMV)は先天性難聴や進行性難聴を引き起こし言語発達遅延の原因となり得る。cCMV に先天性真珠腫を合併した報告は現在までに認めない。症例は 4 歳、女児。周産期異常なく出生し、新生児聴覚スクリーニング(NHS)は pass であったが、2 歳で発語を認めず、精査の結果 cCMV による両側難聴と先天性真珠腫と診断した。人工内耳手術および真珠腫手術を 2 回に分けて施行した。術後 10 カ月頃より発語を認めている。本症例のように NHS が pass でも、cCMV であると遅発性に難聴が進行し、難聴診断が遅れる可能性があるため注意が必要である。