2024 年 70 巻 6 号 p. 343-348
悪性外耳道炎は糖尿病を基礎疾患に持つ高齢者に多くみられる難治性疾患であり、長期間の抗菌薬静注投与を要する例が多い。今回われわれは比較的短期間の抗菌薬静注投与後に、外来での経口抗菌薬投与を継続することによって寛解した悪性外耳道炎例を経験した。症例は糖尿病の基礎疾患を持つ 83 歳男性であり、耳痛を伴う右耳漏を主訴に外来を受診した。初診時は耳漏を伴う右外耳道の腫脹を認めたが、その後右顔面神経麻痺を発症した。諸検査の結果、外耳道に限局した悪性外耳道炎と診断し、入院の上抗菌薬静注投与を開始したが、本人および家族の希望が強かったため入院治療は 9 日間で終了し、外来での経口抗菌薬治療に変更して 25 週間継続した。治療終了後現在まで外耳道炎の再燃はないが、顔面神経麻痺は残存している。