2025 年 71 巻 1 号 p. 12-21
高安動脈炎は大血管での炎症を主体とした血管炎疾患であるが初発症状は多岐にわたる。頭頸部症状として難聴、めまい、耳鳴も見逃されやすい症状とされており、中耳炎を伴う例も少ないながら報告されている。難聴の臨床像はさまざまであり、診断が遅れたことで難聴が進行し、その他の症状が出現して初めて診断に至ることもある。この度、当初 ANCA 関連血管炎性中耳炎(Otitis Media with ANCA-Associated Vasculitis ; OMAAV)などの難治性中耳炎を疑うも、精査の結果、高安動脈炎の診断となり、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤の投与により中耳炎と難聴が改善した例を経験したため報告する。難治性中耳炎症例では OMAAV 以外の血管炎の可能性もあるため、早期に診断し膠原病内科とも連携して診療することが必要と考える。