2025 年 71 巻 4 号 p. 145-150
2016年11月から2022年7月に当科を初診し初発の鼻副鼻腔悪性腫瘍と診断した31例について後方視的に検討した。病理組織型、扁平上皮癌(SCC)の病期、初回治療、SCCの粗生存率(OS)、転帰について解析した。SCCが19例、非扁平上皮癌(non-SCC)が12例であった。SCCのうち13例が当院で初回治療を行った。T4a症例までは初回治療は手術を第一選択としている。個々の症例背景は異なるが、全13例の3年OSの参考値は62.5%であった。non-SCCは悪性黒色腫や腺様嚢胞癌の頻度が高いとされる。当院では悪性黒色腫1例、腺様嚢胞癌2例であった。non-SCCでは重粒子線治療が有望な治療選択肢とされている。本研究では症例数が限られ、選択バイアスを完全には排除できていなかったが、今後症例数を確保した上で更なる解析が望ましいと考える。