日本調理科学会誌
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ハトムギ粉を用いた調理食品の小麦粉代替食品としての適応性の検討
渡辺 裕子小林(粟津原) 理恵長尾 慶子
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2016 年 49 巻 2 号 p. 128-137

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抄録
 我々はハトムギ粉の基礎特性を知り,小麦粉代替食品としての利用適性を検討した。ハトムギ粉は小麦粉よりも糊化に時間を要した。小麦粉の約1.5倍の加水で同程度の硬さのドウが得られ,バッターは30分のねかし時間により調製しやすい生地になった。30分ねかしたハトムギ粉バッターを焼成したクレープは,小麦粉製品よりも破断しやすい力学特性を示した。官能試験での嗜好評価は低かったが,優れた健康機能性や栄養面の情報提供により評価が向上した。クッキーでは,硬い食感で嗜好評価は低かったが,材料の水の一部をバターに置換することで向上した。ハトムギ粉の抗酸化能は小麦粉よりも有意に高く,クッキー製品でも高い抗酸化能を示した。
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© 2016 一般社団法人日本調理科学会
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