抄録
我々はハトムギ粉の基礎特性を知り,小麦粉代替食品としての利用適性を検討した。ハトムギ粉は小麦粉よりも糊化に時間を要した。小麦粉の約1.5倍の加水で同程度の硬さのドウが得られ,バッターは30分のねかし時間により調製しやすい生地になった。30分ねかしたハトムギ粉バッターを焼成したクレープは,小麦粉製品よりも破断しやすい力学特性を示した。官能試験での嗜好評価は低かったが,優れた健康機能性や栄養面の情報提供により評価が向上した。クッキーでは,硬い食感で嗜好評価は低かったが,材料の水の一部をバターに置換することで向上した。ハトムギ粉の抗酸化能は小麦粉よりも有意に高く,クッキー製品でも高い抗酸化能を示した。