2025 年 71 巻 5 号 p. 239-245
症例は46歳の女性。5年前にBasedow病の診断となりメルカゾールを開始されていた。しかしコントロール不良、甲状腺右葉に結節性病変を認めることから、精査加療目的に当院代謝内分泌内科紹介となった。血液検査でfree T3高値、TSH低値、抗TSH受容体抗体陽性を認めバセドウ病と診断された。99mTcシンチグラムにて甲状腺全体に集積を認めたが、右葉により強い集積を認めた。以上からMarine-Lenhart症候群と考えられ手術加療目的に代謝内分泌内科から当科紹介となった。甲状腺全摘術を予定していたが手術待機中に自殺を図り救命されたが、手術は中止となった。他院救急科、精神科での入院治療を経て再度手術を予定し直し甲状腺全摘術を施行した。甲状腺機能異常では精神神経症状を呈することもある。時に自殺企図につながる場合もあり、その病態に対しての十分な理解が重要である。