2025 年 71 巻 5 号 p. 249-254
COVID-19感染による重症肺炎では長期の挿管治療を強いられることがあり、後に、重度の後部声門狭窄を発症することがある。症例は40代男性で、COVID-19による重症肺炎治療後に徐々に増悪する呼吸苦が出現したため当科を受診し、後部声門狭窄症Bogdasarian分類Type Ⅳと診断された。瘢痕切除を実施したところ症状に改善を認めたが、術後5カ月目には再狭窄し呼吸苦を訴えた。左披裂軟骨摘出術・瘢痕切除を行い、露出部の粘膜被覆により声門腔を維持した。その後は狭窄・呼吸苦は再燃せず気管孔閉鎖を達成した。COVID-19重症肺炎治療後に後部声門狭窄症を発症する危険因子については過去に複数の報告があり、本症例も高リスクであると考えた。COVID-19後の後部声門狭窄症に対しては病態や患者の希望に応じた治療戦略を検討することが重要である。